決算に向けての準備・実施事項
決算にあたって、事前に準備、実施しておいて頂きたい点について、お知らせします。
@ 決算期末日の現金残高を金種別に把握
このとき 実際の残高と帳簿上の残高に差異があるときは、原因を究明してください。
A 預金と借入金の残高証明書を入手
金融機関から、決算期末時点の預金、借入金の「残高証明書」を入手してください。
金融機関ごとに証書や通帳と照合し、金額が元帳残高と一致しているかどうかを確認します。
定期預金や定期積金についても、同様に確認します。
借入金については、借入先ごとに残高と利率についても確認してください。
B 決算期末日に実地たな卸を行う
決算期末日に実地たな卸を行い、商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等の在庫数を
調べます。
このとき 倉庫業者の預けている在庫、未着品、戻り品等の見落としに注意が必要です。
また、たな卸をした際に記入したメモ等も保存しておきます。
(切手や収入印紙などの金券類についても、たな卸を行います)
【決算期末にたな卸ができない場合】
事情があって、期末にたな卸が困難なときには、期末に近い日に行い、その間の増減を
書類によって確認できるようにしておきます。
【製造業や建設業では、仕掛品に注意が必要】
決算日時点で、製造中の製品、工事中で未完成なもの(完成後、引渡しがされていないものを
含む)については、それまでにかかった費用は、仕掛品や未成工事支出金となります。
【在庫の廃棄処分は、証拠資料を残す】
死蔵品(デッドストック)、店ざらし品などを廃棄処分する際には、処分時の写真や処分を
依頼する場合は、業者の領収書等など、処分した証拠を残しておきます。
C 売上、仕入を確定
請求書締め切り後の売上や仕入でも、決算期末日までのものについては、計上が必要です。
売上の納品書の確認、仕入についても納品書を確認し、早めに請求書を請求します。
売上値引きや返品が確定しているものは、必ず期末までに値引きや返品の通知を取引先に
おこなってください。
D 売掛金、買掛金、未払金等の残高を確認
売掛金は、回収を早めて残高を少なくしてください。また、買掛金や未払金などの負債も
なるべく少なくしましょう。
【取引先の名称や住所等に注意】
取引先の名称や住所については、正確に把握しておいてください。
E 固定資産の現物の確認
固定資産(機械、車輛、備品等)について、現物と固定資産台帳の突合をおこなってください。
F 有価証券等の残高の確認
有価証券、出資金等は、現物の実在を確認してください。
(上場株式については、証券会社から定期的に発行される「取引残高報告書」等で確認します。
G 仮払金や仮受金等の確認
仮払金、前渡金、個人貸付金、個人借入金、借入金等は、決算期末までに、精算・返済できるも のがないかを確認し、できるものは、早めに精算しましょう。
相手先の名称、住所等も確認します。
H 預り金の確認
源泉所得税、社会保険料等の各項目ごとに、残高を確認します。未納付が判明したときは、早急 に納付してください。
I 貸倒れや回収見込みがない債権の確認
売掛債権のうち、貸倒れや回収見込みのないものがないかチェックします。
もしあれば今後の対応を検討します。
【不良債権についての関係書類】
不渡りとなった手形、債権者集会の通知書や議事録、または決議通知書、宛先不明で戻ってき た請求書送付の封筒など、不良債権の事実がわかる書類を保管します。
以上のほか、当期中に特殊な事情があり、決算に関係があると思われるようなことがあれば、
会計事務所にお知らせ下さい。
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